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網走番外地
2015.09/28 (Mon)
網走番外地 (1965年 監督:石井輝男 出演:高倉健、丹波哲郎、南原宏治、安部徹、嵐寛寿郎、田中邦衛、沢彰謙、風見章子)シルバーウィーク中にTV録画してあった健さんの映画『君よ憤怒の河を渉れ』を観たところ
あまりにも期待していたイメージと違ったため、
ツレアイがもっと違う健さん映画を観たいと言いだしました。
う〜ん、それなら、せっかく8月に北海道旅行で網走刑務所(博物館網走監獄)へ
行ったのだから『網走番外地』でも観ようかとDVDを借りに行きました。
そしたら、まあ、「網走番外地シリーズ」って沢山あるんですね!(18本作られたらしい)
どれが1作目なのか分からなくて、店員さんに訊いて見つけることができました。
どんなお話かというと・・・
冬の網走駅で汽車から降ろされた受刑者らはトラックに乗せられ網走刑務所へ護送される。
橘(高倉健)も腰縄で他の囚人たちとつながれていた。
入所後、雑居房に入れられた橘は、殺人鬼“鬼寅”の義兄弟と称して幅を利かせていた
牢名主の依田(安部徹)や同じ新入りの権田(南原宏治)と衝突し懲罰房に送られる。
一人になった橘は、幼かった自分と妹を飢えさせないために母(風見章子)が
不幸な再婚をしたこと、養父の横暴に耐え切れず母と妹を残して家を出たことを回想する。
都会へ出てやくざとなった彼は、渡世の義理で人を斬り3年の刑期を宣告され
網走刑務所に送られたのだった。
入所から半年以上が過ぎ、橘は真面目に刑期を全うしようとしていたが、
他の囚人たちは模範的に過ごそうとする橘を面白く思っていない。
そんな周囲と騒動を起こし再び懲罰房へ行かされる橘に対し、
保護司の妻木(丹波哲郎)だけは親身になって相談に乗る。
故郷の妹からの手紙によると母が死の床にあり、1日も早く戻ってほしいと書いてある。
同情した妻木は仮釈放の手続きを約束してくれた。
一方、雑居房では依田、権田たちが脱獄計画を練っており、
巻き込まれた場合は仮釈放もなくなるため橘は苦悩する。
が、この脱獄計画を同じ雑居房の阿久田老人(嵐寛寿郎)が直前に失敗させる。
彼の正体こそ“鬼寅”だったのだが、鬼寅は橘の苦境を見抜き、命がけで彼を救ったのだった。
翌日、森林伐採の労役に向かうトラックの荷台から依田や権田らは飛び降り脱走を図る。
その際、権田と手錠でつながれた橘も成り行きで脱獄囚となってしまう。
報告を聞いた妻木は、橘の行為に裏切られたと思い仮釈放認可の書類を破りすて
大雪原のなか二人を追う・・・さて、橘はどうなるのでしょう?
う〜む、健さん、めっちゃ若い!
でも、この時20代かと思いきや34歳?!もっと若く見えます。
舞台が刑務所なので、やくざ映画の切った張ったの世界は描かれていません。
(回想シーンで少しだけありますが)
前半の網走刑務所内の囚人生活の様子と、脱獄に巻き込まれてからの
トロッコでのチェイスシーンが見どころでしょうか。
それと、健さん演じる橘と“鬼寅”阿久田(嵐寛寿郎)、橘と保護司の妻木(丹波哲郎)、
橘と権田(南原宏治)の間のやり取りが人情話になっていて、
いいねぇ〜男だねぇ〜と思えます。
中でも、“八人殺しの鬼寅”を演じた嵐寛寿郎がすごい!
この時アラカンさん、かなりオジイさん(63歳かな?)ですが、存在感が半端ないです。
はっきり言って私的には本作では健さんよりアラカンさんの方がかっこいいと思いました。
数シーンだけの登場ですが、嵐寛寿郎さん、後光が射していましたよ。
大スターは光り輝き方が違いますね。
健さんも若い頃より歳を重ねてからの方が輝きが増しているように思います。
まあ、若い頃には溌剌とした良さもありますが、あくまで私の好みとしてネ。
本作は、そうね〜、前回観た『君よ憤怒の河を渉れ』よりまとまりのある
モノクロの渋い映画でした。
だけど、『君よ〜』にエキサイティングさで負けていたかな〜?
ははは、観客って無い物ねだりするものですね、我ながらワガママだと思うわ★
次回、健さん映画を観るとしたら、うるっと感動を誘うものがいいな〜。
前回の記事にコメントを寄せてくれた はやとうりさんオススメの
『遙かなる山の呼び声』でも観てみようかな〜。
最後に、網走刑務所についてふれておきます。
かつて網走刑務所は、日本で一番脱獄が困難な刑務所だと言われ、
そのため明治や昭和の脱獄王が収監されたり、
施設の劣悪さと凶悪犯が多いというイメージから映画に使われたと思われます。
現在、映画の舞台となった木造時代の施設は、刑務所から南へ2kmほど離れた
網走市の天都山麓に移築され、「博物館網走監獄」として公開されています。
本物の網走刑務所は新しく建てられ、もちろん一般の見学は不可です。
★★★☆☆