上海2日目(その4:岳飛って知ってる?)
2018.09/18 (Tue)
旅の話の続き。8月31日上海旅行2日目(杭州ワンデイトリップ)の昼食後に
ガイドの劉さんに連れて行かれたのは西湖の近くにある
岳王廟(がくおうびょう)という南宋の武将・岳飛を祭った廟だった。

歴史オンチの私には、岳飛という人物が誰なのかサッパリわからなかったのだが、
岳飛は、宋の時代の「救国の英雄」として中国の小中学校の教科書に載るほどの
大人から子供まで誰もが知る英雄だそうだ。
日本では、北方謙三や田中芳樹の小説『岳飛伝』で知る人がいるかもしれない。
岳飛は農家に生まれ、幼い頃に父を亡くし、母と2人で貧しい暮らしをしていたが、
若くして様々な書を読み、武芸を身につけ、左右両方に弓を射ることができる
文武両道の青年に育ったそうな。へぇ〜。

そんなことよりも私が衝撃的だったのは、
若い頃、母の手で背中に「尽忠報国」(じんちゅうほうこく)という四文字の
入れ墨を刻まれたエピソード。
尽忠報国とは「忠義を尽くし、国の恩に報いる」という意味で
亡き父の教えを忘れないよう身体に刻みつけたという・・・オソロシヤ。
私的には、それ無いでしょ、どんだけ〜? な逸話である。

岳飛はその教えを守るため、21歳の頃に官軍が募集していた義勇軍に加わり、
民のために立ち上がった。そして、彼には生れながらのカリスマ性があった。
彼のもとに多くの人が集まり、優秀な同志や部下たちに支えられ、
逆境に立ち向かい続けたのだが、その名声を快く思わない官僚・秦檜(しんかい)らに
裏切られ、罪もないまま処刑されてしまったのだとか。

彼の墓には今でも参拝をする人があとを絶たず、
墓の近くにはわざわざ裏切り者の秦檜の頭を垂れた像まである。
像に唾を吐きかけたり、物を投げたりして溜飲を下げる行為も見られたが、
現在そういうことは禁止されているらしい。

まあ、それくらい岳飛ってのは人気があるってことだ。
日本にそれほど人気のある英雄っているだろうか?ちょっと思い浮かばない。
それと、近代・現代中国にも岳飛ほど自国のことを思って立ち上がった
国民から慕われるカリスマ的人物って・・・いないよね?
いたんなら歴史オンチの私に教えてほしい。

