最強のふたり
2012.10/13 (Sat)
最強のふたり (2011年 監督:エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ 出演:フランソワ・クリュゼ、オマール・シー)
よかった。大げさな感動は無いが、静かな感動に満ちたまま観終えた。
車いすで生活している大富豪フィリップは、事故で首から下が麻痺してまったく自由が利かない状態。
そんな彼が自分の介護役にスラム育ちの黒人青年ドリスを選ぶ。
このドリス、障害者を障害者とも思わぬ言動で容赦がない。
「俺があんたの立場なら自殺するとか」「クソの世話なんて死んでもイヤ!」など。
けれど、腫れ物に触れるようなことなく同情のかけらも見せないそんなドリスの言動からは
偽善もなにも感じられず、フィリップには心地よかった。
社会的立場も好みも異なる二人が、互いを面白がり世界を広げ、認め合う。
その変化していく過程がとても良い。
観ていて残念だったのは、フランス映画ということでセリフもフランス語なので
字数に制限がある字幕頼りではどうしても消化不良は否めない。
フランス語を解せぬ自分が悔しい。とはいえ、それを差し引いても余りある映画だ。
ところでこの映画、昨年の東京国際映画祭に出ていたらしいが
映画祭に行ったのに私、なんでこれを選んで観なかったんだろう。でも、配給がかかってよかった!
実話を元にした映画なので、エンディングに実在の二人のツーショットが出てきた。
中島みゆきの「糸」に「会うべき人に出会えることを人は幸せと呼びます」という歌詞があるけれど
まさしくこの二人のことだ。拍手を送りたくなった。 ★★★★★
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